SDA通信Vol.8ーおはなしテーマ:新型コロナウィルスー

 こんにちは、社会デザイン協会の鈴木です。
 最近のニュースは、新型コロナウィルスの話題一辺倒である。これらのニュースを見ていると、東日本大震災の時の原発による放射能もれ、に対する風評被害を彷彿とさせる。当時、私は栃木県日光市にいた。栃木は、北関東であり、南東北ではない。この違いは大きく、当時の東日本大震災関連における政策は、東北に限られていた。そのため、行政に問い合わせするも、栃木は関東ですよね、ので、対象外です、と対応されたことを思い出す。まさに、縦割り行政の課題である。しかし放射能は、風に乗り、福島大熊から郡山、日光へと流れてきたのである。(いわきには、ほとんど流れていないが、いわきが危ないと当時は大変なことになっていた)そのため、日光では大きな被害を受けたにも関わらず、ほとんど政治的支援を受けられない状態に陥った。その当時は、民主党が悪い、と民主党が与党から引きずり降ろされたが、今回の件、自民党に変わってもその対応状況は、変わっていないことを感じる。新型コロナウィルスが収束するころに、今のままの政治体制でいいのか、きちんと議論してほしいものである。
 また、もう一つおかしなことは、最近のニュースは、健康よりも都市経済(株や金融を含む)の話題にシフトしつつある状態である。どのような状態にあろうが、経済活動が成り立つのは、健康があってのことである。日本WHO協会によると、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。」となっている。
 少し前になるが、コロナ疎開が問題になっていた。都会の人が頼るべき人がいないため、地方の実家を頼って、何が問題なのだろうか?都市経済は地方経済に支えられて成り立っている。地方に分散することによって、疲弊している地方経済は多少なりとも活性化されるのではないだろうか。そして、その地方が元気なれば、健康に近づくのではないだろうか。
 また、新型コロナウィルスは、風邪の一種である、と言われる。風邪で問題なのは、免疫が落ちているところにウィルスが悪さをすることである。また、換気が悪いため病気が蔓延してしまうことである。昔の人は、「風邪は万病のもと」と言われるほど、どのような状態であろうと、先の2つの条件が重なると病気になることを理解し、生活の中でいろいろな工夫をして乗り越えていた。先のコロナ疎開ではないが、地方の実家は、広いことが多いため、換気はいいので病気の蔓延はしずらいのではないだろうか。また加えて、病気を退散させるためには、笑うことにあると思う。昔から「笑う門には福来る」と言われる。最近疎遠になっていた実家に、孫を預けることにより、おじいちゃんおばあちゃんの笑顔が増えれば、病気退散の一助となるのではないだろうか。(疎遠になっていない人も多いだろうが。)
 ただ、だからと言って、新型コロナウィルスをただの風邪の一種、と割り切るのは、現時点では早計である。というのは、まだ何もわかっていないということがあるからである。にもかかわらず、夏になったら治まるのではないだろうか、などという都市伝説らしきものが広がっている。(ちなみに、 インフルエンザは、夏に流行ることもある。)新型コロナウィルスがなにものなのか、がわかっていないのである。したがって現段階では、新型コロナウィルスの特効薬が見つかるまでは、免疫力の向上、感染拡大の抑止に注力するべきではないだろうか、と思うのである。
 では、第2の健康ともいわれる、経済社会はどのようにすればいいのであろうか?それは、Society5.0の強力推進であるように思う。東京一極集中を解消し、地方に分散させた状態を作るのである。現在の隔離政策を鑑み、罹患していない者を地方に分散させ、密集を緩和するようにするのである。そのための、地方でのWifi環境の整備、再生可能エネルギーの推進、働き方改革としてのテレワークの推進、学校教育のオンライン化、小売りにおけるレジの見直し、物流における置き配の推進、病院のオンライン化、キャッシュレス体制の強化、などなど。そのような活動を推進するための方策をすすめるべきではないだろうか、と思うのです。いまだに、貨幣経済、デジタル化ができない社会のままで、グローバル化を図り、コミュニケーションがアナログのままで感染拡大の抑止、と言っても限界があるように思う。
 いまこそ、社会構造を見直し、エンジンをかけるべきだと思うのです。このままでは、日本はダメ、になってしまう危機を感じている。そのためには、情報に振り回されることなく、正しい状態を早く取り戻し、その先を見据えた動きについて、目先ではなく、プロジェクト化し、未来社会をマネジメントする形で進めていってほしいものだと思うのである。

(文責:鈴木秀顕)